噛み合わせのⅠ級、Ⅱ級、Ⅲ級とは?アングル分類の基準や特徴を解説
2026/06/20
こんにちは、都筑区(都筑ふれあいの丘駅)の歯医者、マサキ歯科クリニックです。
歯科医院で噛み合わせについて説明を受けた際、Ⅰ級やⅡ級といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。
これはアングル分類と呼ばれる、噛み合わせの状態を評価する基準です。
今回は、アングル分類の基準、各分類の特徴、噛み合わせの問題が引き起こす影響について解説します。
アングル分類とは
アングル分類の基本
アングル分類は、上下の第一大臼歯の位置関係を基準として、噛み合わせをⅠ級、Ⅱ級、Ⅲ級の3つのクラスに分類する方法です。
Ⅰ級は標準的な噛み合わせの位置関係を示し、Ⅱ級は上顎に対して下顎が後方に位置する状態(上顎前突傾向など)、Ⅲ級は下顎が前方に位置する状態(下顎前突傾向など)を表します。
第一大臼歯を基準とする理由
アングル分類において第一大臼歯が基準とされるのは、この歯が永久歯の中で最初に萌出する歯であり、噛み合わせの起点として安定しているためです。
咀嚼において重要な役割を担う歯でもあり、第一大臼歯の位置関係を確認することで、上下のあごの位置関係を客観的に評価することができます。
Ⅰ級(クラスⅠ)の特徴
Ⅰ級とは、奥歯である第一大臼歯が、前後で正しい位置関係で噛み合っている状態を指します。
ただし、土台となる奥歯の位置が良くても、前歯の並び方に問題があるケースはめずらしくありません。
例えば、叢生、上顎前突、空隙歯列などは、奥歯は正しく噛み合っていても、前歯の並びが整っていない状態を意味します。
Ⅱ級(クラスⅡ)の特徴
Ⅱ級は、上の奥歯が下の奥歯よりも前側にずれている状態を指し、大きく2つのタイプに分けられます。
一つは、奥歯の噛み合わせがずれていることに加えて、上の前歯が前側に飛び出しているタイプです。
この場合、上の前歯が唇のほうへ斜めに突き出るため、口元全体が前に出ているように見えます。
もう一つは、奥歯の噛み合わせがずれていることに加えて、上の前歯が内側に向かって倒れ込んでいるタイプです。
Ⅲ級(クラスⅢ)の特徴
Ⅲ級は、下の奥歯が上の奥歯よりも前側に突き出して噛み合っている状態です。
下のあごが前へ出すぎている、上のあごが後ろに引っ込んでいることが主な原因であり、前歯で食べ物をうまく噛み切ることができないため、奥歯だけで咀嚼することになり、食事が効率よく行えません。
また、特定の奥歯にばかり大きな力がかかるため、歯がすり減ったり、割れてしまったりするリスクもあります。
噛み合わせの問題が引き起こす影響
咀嚼機能への影響
噛み合わせのバランスが崩れると、食べ物を効率よく細かくする能力が低下します。
上顎前突や受け口の場合、前歯で食べ物をしっかりと噛み切ることが難しくなり、奥歯のみで噛む傾向が強まります。
食べ物を十分に咀嚼できないまま大きな塊として飲み込むと、消化器官に負担がかかることは避けられません。
また、しっかり噛む回数が減ってしまうことで、消化を助ける唾液の分泌量も減少してしまいます。
唾液には口内を清潔に保つという重要な役割もあるため、その分泌が減ることは、消化面だけでなく口腔内の衛生状態を維持するうえでも悪影響を及ぼします。
発音への影響
歯並びや噛み合わせは、発音にも大きな影響を及ぼします。
噛み合わせに異常があると、舌を置く位置が本来とは異なる場所になったり、歯の隙間から空気が漏れてしまったりすることで、音が不明瞭になりやすくなります。
顎関節への影響
噛み合わせの異常は、あごの関節にも過度な負担をかけます。
特に上顎前突のようなタイプでは、上の前歯が内側に倒れ込んでいることで、噛み合わせが深くなりすぎる傾向があります。
このような状態では、あごを動かすたびに関節部分が圧迫され続け、痛みや違和感が生じやすくなります。
歯への負担
噛み合わせのバランスが良くないと、特定の歯に過度な力が集中してしまいます。
この過剰な負担が継続すると、歯の摩耗や破折、動揺といったトラブルが生じやすくなります。
さらに、噛む力が全体に均等に分散されなくなることで、歯を支える組織に負担がかかり、歯周病を悪化させるリスクも高くなります。
審美的な影響
噛み合わせの異常は、横顔や口元といった顔立ちにも影響を与えます。
こうした見た目に関する悩みは、本人の心理的な負担やコンプレックスへとつながり、日常生活において大きなストレスとなる場合も少なくありません。
噛み合わせが崩れている場合の治療方法
成長期の矯正治療
成長期にある子どもの場合、あごの骨の成長をコントロールしてバランスを整える治療が可能です。
この時期に早期の治療を始めることで、将来的に抜歯が必要になる可能性や、外科手術が必要になるリスクを減らせる可能性が高くなります。
成人の矯正治療
成人の場合、成長期のようなあごの骨の成長は期待できないため、歯を動かすことを中心とした治療になります。
ワイヤーを用いた矯正やマウスピースを用いた矯正などがあり、それぞれの歯並びの状態や本人の希望に応じて選択します。
外科的矯正治療
骨格そのものに原因がある場合には、外科的矯正治療が選択肢となります。
これはあごの骨を切って正しい位置へ修正する手術と、矯正装置を用いた治療を組み合わせる方法です。
手術が必要となり、治療期間も長くかかりますが、重度の不正咬合にも対応が可能です。
補綴的治療
軽度の噛み合わせの乱れや、矯正治療を行うことが難しい場合には、補綴的治療で対応することもあります。
これは、かぶせ物やラミネートベニアといった人工物を用いて、歯の形や噛み合わせの位置を調整する方法です。
ただし、補綴的治療はあくまで症状に対する対症療法であり、健康な歯を削らなければならないケースも多いため、治療を選択する際には慎重な判断が求められます。
まとめ
アングル分類とは、噛み合わせを評価するうえでの基準です。
上の第一大臼歯を基準とし、下の第一大臼歯が前後的にどのような位置関係にあるかによって、Ⅰ級、Ⅱ級、Ⅲ級の3つに分類されます。
自身の噛み合わせがどの分類に該当し、どのような傾向があるのかを知ることは、口腔の健康を守ることにつながります。
もし気になる症状があれば、気兼ねなく歯科医院にご相談ください。
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