歯が強くズキズキ痛むのはもう手遅れ?放置は危険な歯髄炎とは?
2025/08/10

こんにちは、都筑区(都筑ふれあいの丘駅)の歯医者、マサキ歯科クリニックです。
強くズキズキとした歯の痛みは、食事や会話はもちろん、睡眠にまで影響を及ぼします。
そんな激しい歯の痛みの原因の一つである歯髄炎(しずいえん)は、虫歯や外傷などが原因となって起こる炎症です。
早期に治療をすれば改善が見込めますが、放置すると症状は悪化し、最終的には抜歯が必要となる場合もあります。
今回は、歯髄炎の症状や治療法、再発予防のポイントなどを解説します。
歯髄炎とは

歯髄炎とは、歯の中心にある「歯髄」と呼ばれる組織に炎症が起きている状態です。
虫歯が、エナメル質や象牙質を超えて歯髄に達すると、
炎症が生じて強い痛みや違和感を引き起こします。
歯髄炎には、炎症が軽度で治療によって改善が見込める「可逆性歯髄炎」と、炎症が進んで神経が深く傷ついた状態の「不可逆性歯髄炎」の2種類があります。
可逆性歯髄炎とは

可逆性歯髄炎は、歯髄の炎症がまだ軽度で、必要な治療を行えば歯髄の機能回復が見込める段階です。
歯髄が壊死していないため、痛みも刺激に対する一時的なものであることが多いのが特徴です。
この段階では、神経を抜くことなく、虫歯部分を削って詰め物をするだけで治療できます。
不可逆性歯髄炎とは

不可逆性歯髄炎は、可逆性の状態を放置した結果、炎症が悪化し、歯髄の神経組織が回復不可能なほど傷ついた状態です。
この状態になると神経は壊死し始めています。
この段階の特徴的な症状は、激しい自発痛や夜間痛です。何もしていないのにズキズキと痛みが続いたり、夜になると痛みが強くなって眠れなくなったりします。
治療には、「抜髄(ばつずい)」と呼ばれる歯髄を除去する処置が必要です。
その後、歯の中を清掃・消毒し、薬剤を詰めて密閉します。
歯髄炎の主な原因
虫歯
歯髄炎の多くは、虫歯の進行によって引き起こされます。
虫歯菌が歯の表面を溶かし、エナメル質や象牙質を通り越して歯髄まで達すると、炎症が起こります。
歯周病
歯周病も、歯髄炎の原因の一つです。
炎症が歯ぐきやあごの骨の奥にまで進むと、細菌が歯の根の先端から歯髄に侵入し、内部に炎症を起こすことがあります。
歯周病由来の歯髄炎は進行がゆるやかで、異常に気づきにくいため、知らないうちに不可逆性に移行してしまうリスクが高いのが特徴です。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりなどの習慣も、歯髄炎の原因になります。
無意識のうちに歯を強くこすり合わせたり、かみしめたりすることで、歯に大きな負担がかかり、歯髄に微細なダメージが蓄積されていきます。
とくに夜間の歯ぎしりは長時間にわたって歯を圧迫するため、炎症につながることがあります。
外傷
転倒や事故などで歯に強い衝撃が加わると、歯が折れたりひび割れたりして、歯髄が露出することがあります。
こうした外傷によって歯髄が直接外気や細菌にさらされると、炎症を引き起こしやすくなり、歯髄炎の原因になります。
知覚過敏
象牙質が露出して神経が刺激に敏感になると、冷たいものや甘いものに反応しやすくなります。
この状態が続くと、神経に負担がかかり、歯髄炎の発症につながります。
歯髄炎の症状

歯髄炎は急性型と慢性型に分けられ、急性歯髄炎では激しい痛みが起こるのが特徴です。
初期は冷たいものに反応する程度でも、悪化すると温かいものを食べたときなどにも激しい痛みが数時間続くようになります。
夜間に痛みが増す傾向があり、眠れなくなることも少なくありません。
一方で、慢性歯髄炎は痛みが穏やかです。
かんだときに痛みが出たり、冷たい水で違和感を覚えたりすることがありますが、進行がゆるやかで気づきにくいという特徴があります。
歯髄炎の診断方法

歯髄炎の診断では、患者さんから痛みの特徴やどんな時に痛みが出るかをヒアリングしたうえで、虫歯や歯のひび割れ、変色など外見の異常をチェックします。
歯を軽く叩いて痛みの有無を調べる打診検査や、冷水をかけて神経の反応を確認する温度診断などを行うこともあります。
レントゲン撮影で虫歯の深さや周囲の状態を調べたり、必要に応じて神経の生死を判定する歯髄電気診断を行ったりすることもあります。
歯髄炎の治療法
薬物治療
歯髄炎の薬物治療は、炎症を抑えて痛みを和らげることを目的としています。
主に用いられるのは抗生物質や消炎鎮痛剤です。抗生物質は細菌の増殖を抑え、感染による炎症をコントロールすることを目的としており、消炎鎮痛剤は、腫れや痛みを軽減することを目的に処方されます。
根管治療
不可逆性歯髄炎では、損傷した歯髄を取り除き、根管内を丁寧に洗浄・消毒して細菌を除去する根管治療が必要です。
神経を抜いた歯はもろくなりやすく、破折のリスクが高まるため、治療後はかぶせ物で補強して歯の強度を保ちます。
抜歯
抜歯は、炎症が重度で根管治療が難しい場合や、歯が大きく損傷しているときに検討されます。
抜歯後は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの補綴治療によってかみ合わせの機能回復を図ります。
歯髄炎を放置した場合のリスク
歯髄炎は放置しても自然に治ることはありません。
細菌が歯根の先まで広がると、根尖性歯周炎という重い炎症を引き起こし、歯ぐきの腫れや膿、激しい痛みが現れるようになります。
さらに進行すると、歯根破折やあごの骨への感染拡大を招き、場合によっては入院が必要になることもあります。
こうした悪循環を防ぐためにも、早期発見と早期治療が大切です。
歯髄炎を予防するためにできること
歯髄炎を予防するには、まず虫歯や歯周病を防ぐことが重要です。
毎日の丁寧な歯みがきに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れをしっかり取り除きましょう。
さらに、定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受けることも欠かせません。
また、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある場合は、マウスピースの使用などで歯への負担を減らすことも大切です。
まとめ

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