歯周病治療に時間がかかるのはなぜ?その理由や治療内容を解説
2025/09/10

こんにちは、都筑区(都筑ふれあいの丘駅)の歯医者、マサキ歯科クリニックです。
歯周病の治療は、一度始めると通院が長期にわたることも少なくありません。
「なぜこんなに時間がかかるのだろう」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は、歯周病治療の段階ごとの内容や、時間がかかる理由、治療の流れ、予防のポイントを解説します。
段階別の歯周病治療の内容
歯肉炎

歯肉炎は、歯周病の初期段階です。
歯ぐきが赤く腫れたり、ブラッシング時に出血したりすることがありますが、この段階ではまだ歯を支える骨には影響がおよんでいません。
丁寧な歯磨きと歯科医院でのクリーニングをきちんと続ければ、1、2か月で改善が期待できます。
初期歯周病

歯肉炎が進行し、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットが深くなってくると、初期の歯周病と診断されます。
この段階になると、歯ぐきの腫れや出血に加えて、口臭や歯が浮いたような違和感を覚えることがあります。
ただし、まだ歯を支える骨への影響はごくわずかです。
初期歯周病の治療においては、歯科医院での専門的なクリーニングが欠かせません。
歯と歯ぐきの間に溜まった歯垢や歯石を取り除くスケーリング、歯ぐきの内側まで丁寧に清掃するルートプレーニングといった処置により細菌をきれいに取り除くことで改善を促します。
それに加えて、日々のブラッシングや生活習慣の改善が、治療の経過に大きく影響します。
中等度から重度の歯周病

歯周病がさらに進行すると、中等度の歯周病と診断されます。
この段階では、歯ぐきの炎症がはっきりと現れ、赤く腫れて厚みを帯びたような見た目になります。
強い口臭や歯のぐらつきを感じるようになり、食事や会話に影響が出るなど、日常生活にも支障が生じます。
中等度の歯周病では、通常3か月以上にわたる継続的な治療が必要です。
状態がさらに悪化すると重度の歯周病へと進み、歯ぐきから膿が出たり、かむと痛みを感じる、歯が大きく揺れるなどの深刻な症状が現れるようになります。
重度になると治療には年単位の期間がかかることも少なくありません。
状況によっては、歯を残すことが難しくなり、抜歯を検討しなければならなくなります。
歯周病の治療に時間がかかる理由
歯周病が進行しているから
歯周病が進行している場合、その分だけ治療に時間がかかります。
歯周病は、初期では痛みや違和感がないために放置されやすく、気づいたときにはすでに歯ぐきの奥深くや、歯を支える骨にまで炎症が広がっていることもあります。
初期の歯肉炎であれば比較的短期間で改善が見込めますが、骨の破壊が進んでいる場合は、数か月から年単位の期間を治療に要します。
保険診療のルールがあるから
保険診療には決められたルールがあり、治療を一度にまとめて進められないことも、歯周病治療に時間がかかる要因です。
例えば、歯石を取るスケーリングも、保険の規定により一度にすべての部位を処置することはできず、数回に分けて行う必要があります。
治療やケアによる変化を見るため
歯周病治療では、処置やセルフケアによる変化を確認するための経過観察の期間が欠かせません。
例えば、ブラッシング指導を受け、次の通院日は1か月後をすすめられた場合、その多くはその期間中のケアが歯ぐきの状態にどう影響したかを確認するためです。
治療による変化をきちんと見極めながら進めることで、より適した処置を選ぶことができます。
ただし、もし通院頻度などに疑問や不安がある場合は、遠慮せず歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。
必要に応じてセカンドオピニオンを検討するなど、納得のいく状態で治療を進めることが大切です。
歯周病治療の進め方

歯周病の治療は、検査とクリーニング、必要に応じた処置、そして継続的なメンテナンスという流れで進められます。
一般的に最初に行われる問診では、歯ぐきの腫れや出血、痛みの有無、生活習慣や持病などについての確認が行われます。
その後、レントゲン撮影によって骨の状態や虫歯、神経の状況を調べ、歯周ポケットの深さを専用の器具で測定して進行度を判断します。
初期の治療として行われるのが、スケーリングとルートプレーニングです。
スケーリングは、歯と歯ぐきの間にたまった歯垢や歯石を専用の器具で取り除く処置です。ルートプレーニングは、スケーリングで取りきれなかった歯の根元の表面を滑らかに整える処置です。
歯ぐきの奥深くに入り込んだ歯石や細菌を取り除き、歯周組織の再付着を促します。これらの処置は数回に分けて行われるのが一般的です。
症状が進行している場合は、歯ぐきを一時的に切開し、歯根を露出させて奥深くにある歯石を取り除く外科的処置が必要になることもあります。
歯周病は完治させることが難しいため、再発を防ぐためには定期的な歯科検診と毎日のセルフケアを継続していくことが大切です。
歯周病を予防するためのポイント
日々の歯磨き
歯周病予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。
歯を磨く際は、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度であて、小刻みにやさしく動かすようにしましょう。力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまうため、力加減にも注意が必要です。
また、歯ブラシだけでは届きにくい部分には、歯間ブラシやデンタルフロスを使用するようにしましょう。
定期的な歯科検診

毎日丁寧に歯を磨いていても、歯ブラシやデンタルフロスで口内の汚れをすべて落とすことは困難です。
そのため、歯科医院での定期的なクリーニングが欠かせません。
クリーニングを受けることで、普段のブラッシングでは取りきれない歯石や歯垢をしっかり除去できます。また、虫歯やそのほかの口内トラブルの早期発見・早期治療にもつながります。
禁煙

喫煙は歯周病の大きなリスクです。たばこに含まれる有害物質は免疫力を低下させ、血流を悪くするため、歯ぐきに必要な酸素や栄養が届きにくくなります。
その結果、炎症が治りにくくなり、歯周病が進行しやすくなります。
また、歯ぐきの変色で異変に気づきにくく、早期発見が遅れることも少なくありません。
生活習慣の改善
歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きや定期的な歯科検診だけでなく、生活習慣の改善も重要です。
バランスの良い食事を心がけ、糖質の過剰摂取や間食をだらだら食べるのは控えるようにしましょう。
また、睡眠時間を十分にとったり、ストレスケアに努めたりすることも大切です。
まとめ

歯周病は時間をかけてゆっくり進行する病気であり、治療には一定の期間が必要です。
治療と日々のセルフケアを続けることで、症状改善や進行防止が見込めます。
早く治療を開始すればその分早期の改善が見込めますので、口の中の小さな変化を見逃さず、気になったらすぐに歯科医院を受診するようにしましょう。
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