歯ぐきが腫れて痛みを持つ歯肉膿瘍とは?原因や治療法を解説
2025/03/10

こんにちは、都筑区(都筑ふれあいの丘駅)の歯医者、マサキ歯科クリニックです。
「歯ぐきが腫れて痛い」
「歯ぐきの色がいつもより赤い気がする」
そのように歯ぐきに腫れを感じる際に、まず思い浮かべるのが歯肉炎や歯周病ではないでしょうか。
しかし、歯ぐきが腫れる原因には、そのほかにもさまざまなものがあります。
本日は、歯ぐきが腫れる原因や対処法について解説します。
歯ぐきが腫れる原因
歯周病

歯ぐきの腫れの代表的な原因として、「歯周病」があります。
これは、蓄積した細菌が原因で歯と歯ぐきの間で炎症を引き起こす疾患です。
歯周病になると、歯ぐきが腫れて赤くなるほか、出血しやすくなります。
歯周病は日本人が歯を失う主な原因の一つであり、特に40代以降はリスクが高くなります。
根尖膿瘍

根尖膿瘍(こんせんのうよう)も、歯ぐきの腫れを引き起こす要因の一つです。
これは、虫歯が原因で細菌が歯の内部に侵入し、歯根の先端に膿がたまることで発症します。
痛みを伴い、放置するとあごの骨にまで感染が広がる恐れがあるため、早急な治療が必要です。
ケアを怠ると、ダメージが広がるだけでなく、合併症を引き起こすリスクもあります。
歯槽膿瘍

歯槽膿瘍(しそうのうよう)は、歯の根元や周囲の歯肉に細菌感染が起こり、膿が溜まることで形成される病変です。
主な原因は、虫歯の重症化や歯の損傷、歯周病による歯肉の感染です。
感染が進行すると歯の神経まで達し、そこから細菌が歯根の先端や歯肉に広がり膿瘍を形成します。
症状としては、強い痛みや腫れ、患部の熱感が挙げられ、症例によっては顔や首の腫れを伴う場合もあります。
また、ポケット状の膿が破れると、悪臭を放つ膿が口腔内に漏れることがあります。
智歯周囲炎

智歯周囲炎(ちししゅういえん)は、親知らず(第三大臼歯)が周囲の歯肉や組織に炎症を引き起こしている状態です。
特に生えかけの親知らずが一部だけ露出している場合、清掃が十分に行き届かず、細菌感染が発生するリスクが高まります。
症状としては歯ぐきの腫れや痛み、赤みが見られ、場合によっては口を開けにくくなったり、悪臭を伴う膿が出たりすることもあります。
さらに、感染が広がると、発熱やリンパ節の腫れといった全身症状を引き起こすこともあります。
歯肉膿瘍
歯肉膿瘍は、歯肉に感染が生じて膿がたまることで歯ぐきが腫れ、痛みを引き起こす病気です。
これは主に外傷や細菌感染がきっかけとなって発症します。初期の段階では、歯ぐきが敏感になり腫れるほか、熱感を伴う場合もあります。
また、膿が溜まっているケースでは、歯ぐきを押すと膿が出ることがあります。
歯肉膿瘍の原因
歯肉膿瘍は口腔内の細菌感染により発生しますが、細菌感染にはいくつかの原因があります。
まず、重症化した虫歯が主な原因の一つです。
虫歯が進行し、細菌感染が歯の根元にまで広がると歯肉膿瘍を引き起こしやすくなります。
また、歯周炎が進行して歯の根本にまで炎症が拡がった場合も、歯肉膿瘍を発症する原因の一つとなります。
歯周ポケットが深くなることにより、細菌がより深部に到達しやすくなり、膿瘍が形成されます。
さらに、硬い食べ物や歯磨きの際の力の入れすぎによる小さな外傷も、膿瘍の原因となることがあります。
歯ぐきに生じた小さな傷から細菌が侵入し、膿がたまるきっかけとなります。
歯肉膿瘍の治療法

歯肉膿瘍の初期治療としては、局所麻酔を施したうえで膿瘍部を切開し、溜まった膿をしっかりと排出します。
膿を取り除くことで痛みを軽減し、炎症の原因である圧力を取り除くことができます。
その後、抗菌薬の処方により、細菌の再増殖を抑え、感染が広がるのを防ぎます。
また、痛みを和らげるために消炎鎮痛薬が使用されることもあります。
これらの治療に加えて重要なのは、膿瘍を再発させないために根本的な原因に対する治療を行うことです。
例えば、虫歯が原因であれば根管治療が必要になります。
歯周炎が原因となっている場合は、スケーリングやルートプレーニングなどの歯周病治療が行われ、歯および歯肉を健康な状態に戻す必要があります。
歯肉膿瘍の予防法

歯肉膿瘍は、日常の正しい口腔ケアによって予防することができます。
食後には欠かさず歯磨きをし、口内に汚れがたまらないように気をつけましょう。
歯間や歯と歯ぐきの境目などの歯ブラシの届きにくい部分は、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってきれいにすることが大切です。
また、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることも重要です。
セルフケアでカバーしきれない部分の歯石や歯垢を専用の器具を使って取り除いてもらうことで、歯肉膿瘍を含むさまざまな口腔内の問題を予防しやすくなります。
さらに、生活習慣を見直すことも重要です。
甘いお菓子やお酒などを頻繁に食べたり飲んだりしている場合には、回数を抑えたり、時間を制限したりすることで虫歯や歯周病のリスクを減少させましょう。
バランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高めることが口内の健康維持のためには大切です。
また、喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、歯周病の進行を助長するため、禁煙をすることも重要です。
歯ぐきが腫れている場合の応急処置

歯ぐきが腫れているけれどすぐには歯科医院を受診できないという場合には、応急処置をしましょう。
歯ぐきの腫れに対する基本的な応急処置方法としては、まずは冷たいタオルや保冷材などを使って患部を冷やすことです。
痛みがひどい場合は、市販の痛み止めを服用すると楽になりますが、用法用量は必ず守りましょう。
また、腫れているからといって、刺激を与えないために歯磨きを怠るのはよくありません。優しく丁寧に歯を磨き、口内を衛生的に保つことが重要です。
そして、十分な睡眠をとるようにしましょう。
これらの応急処置を行いつつ、症状が改善しない場合は早めに歯科医院を受診してください。
まとめ
歯肉膿瘍は痛みや腫れを引き起こすだけでなく、放置することで口腔内のさらなるトラブルにつながります。
違和感を覚えた段階で歯科医院に足を運ぶようにしましょう。
また、症状が治まった後は毎日の口腔ケアを丁寧に行い、定期的に歯科医院でメンテナンスをうけることで、口腔トラブルの発生予防に努めましょう。
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